日比野五鳳先生　書額

日比野五鳳先生の紛れもない肉筆作品であり、真筆真跡です。これほどの名品はなかなかお目にかかることがありません。保管状態もよくコンディションが抜群によいです。当方は書の関係者で、ご縁があり先生の作品を譲り受けました。◼️作品の寸法掛軸のサイズ　　縦60cm×横50cm◾滅多に見られない大変希少、貴重な逸品です。◼️作品の内容(釈文)「夜更けたり　何にさわだつ　鴨のこゑ」(夜更介多り　何二さわ多都　鴨農こゑ)　　　　　　　　　　　　　　正岡子規の俳句本作品の額は、当時のものです。裏面には木の、ホゾが２つカラクリになっており、工具を使用しなくても手でホゾを動かして簡単に中身の取り外しができます。個展仕様の額ですので、専用タトウ箱と専用ウコン袋布に包んだ状態で保管しています。鈍い金、あるいは銅と金の中間のブロンズのような額縁(木枠)の色ですが、金箔格子柄調に木枠を装飾した、手の込んだ上に、モダンな仕立てとなっています。とても重厚感があり重みがあります。次に本紙は、うす茶系の地色で楮の漉き込み繊維の混じった手漉き和紙です。本紙は浮き出し(浮かし)でマットから前面に底上げして表具されています。その更に奥は、最高絹織物(絓=シケ)の上品なマットが貼られており、高級感の中にも地味な気品が感じられます。表面はアクリルではなく、当時の額装としてのガラスが入っていますが、とてもクリアーです。この額全体の雰囲気がモダンなため、額は一見して新品かとさえ思います。傷も大したものはなく、よく見ると小傷がある程度です。一切シミや汚れのない作品本紙とともに大変綺麗な状態です。作品は、やや淡墨で、品格の高い書風で書かれていますが、図録などに掲載されている、日比野五鳳先生の代表的な大字作品の書風に分類されるものです。印も先生の名作に必ず使用される代表印が押されています。印を作品本文から離して左の方へポンと捺すのも日比野先生特有の作品構成です。これだけの名品ですので、本来は2倍くらの価格設定にすべきところですが、大切に引き継いでくださる方にお願いできたらと思います。